「食らえぃ!」
タタタタタッ!!
俺の放った無数のフォトンが、狂暴な原生生物たちに叩き込まれる。
数々の修羅場で俺を救ってくれたマインドリピーターは、
他の武器とは比較にならない速度でフォトンの銃弾を打ち出す事が出来る。
俺のタフな相棒さ。
ま〜正直言うと、レイマーにゃライフルが似合うって日頃から思ってるんだけどね。
「グォォォーー!!」
「何!?」
いつもなら無数のフォトンにズタズタになってラグオルの土に還るはずのブーマが、
少しも狂暴さを失わないままに俺との間合いを詰めてきた。
俺は焦りつつも敵の攻撃をいなし、またフォトンを打ち込む。
「くっ、速い!」
間合いが取れない。
いつもより数段速い移動の速度だった。
そしてついに敵と遭遇した広場の一番奥へと追い詰められる。
「こうなったら、多少のダメージは覚悟だな…」
足を止めてハチの巣にする勢いで銃撃を浴びせ続ける。
さすがに敵の一段の先頭はバタバタと倒れて行く。
だが、後続は無傷のまま、今までに見たことも無い速さで迫ってくる。
(…まずい)
1匹、2匹…倒した敵の数の方が多くなってはいるが、
このままでは間違い無く何匹かの敵にタコ殴りにされること請け合いだ。
(まあブーマ如きのパンチなど大したダメージは…)
思った瞬間、先頭の一匹にぶん殴られた。
バキィィ!
「ぐはぁぁぁ!?」
ななな、何だ!?
一撃で殴り倒された。
急いで立ち上がろうにも、体が言う事を聞かねえ…。
(もう一発食らったら俺死ぬかも…)
「ウォォォォッ!」
ブーマの手が上がる。
(本当にヤバイ…)
「わわっ、か、神薙しゃん〜」
ブーマの壁の向こう側から声が掛かった。
と、同時に、回復テクニックが飛んできて、俺の受けたダメージを一瞬で癒してくれた。
「りくさん、アリガトね♪」
礼を言いつつ行動!
楽に動けるようになった体で、視界一杯に迫った手のひら(ゴッツイ爪付き)を素早く回避する。
「ショット、ショット、っと」
多数攻撃に適した散弾タイプの銃を取り出す。
敵集団に向けシュート!
バスッ、バスッ
グギャーーー!!
反動がデカイのを根性で押さえながら連射してすでにダメージのあった半数ほどを倒した。
「いよ〜〜っしゃぃ!」
ふっ(^-^v
リクさんにイイ所見せようとニヒルな笑顔をたっぷり送る。
「わ〜〜。ふぎゅ〜〜〜 =TwT=」
「………」
残りのブーマに追われて、泣きながら逃げてた…。
「ごめんな〜りくさん〜」
戦闘は俺の怒りのフォトンブラスト一発で終了〜。
しっかし、何でこんなに苦戦したんだろ?
俺は謝りながら考えていた。
「ううん〜でも神薙しゃん無事でよかった〜」
「りくさんのお陰だって。ただな〜」
「?」
「なんで普通のブーマがあんなに強かったんだろうってさあ」
「うん〜なんでだったのかな? りくもラフォイエなかなか効かなくて焦っちゃた」
俺達二人首を捻っても判るモノでもないか〜。
専門家に聞くのがてっとり早いなあ。
「一旦パイオニアに戻ろかね」
「うん」
「総督の所のセンセ共なら何か知ってるだろ〜しね」
「それに補給もしたいです〜」
「おっけ♪」
「=^w^=」
ここ惑星ラグオルは緑豊かな未開の惑星だった。
数年前までは…。
そのラグオルに遠い宇宙からの訪問者が訪れたのが今から7年程前の事だった。
殖民用大型宇宙船「パイオニア1」。
それが訪問者の名前だ。
訪問者達はラグオルの地表にパイオニア1を降ろすと、
その船体を建材として移民のための基地兼居住施設としてセントラルドームを建造した。
周囲の開墾や農業プラントの設置なども行い、自給の目処が立ったところで後続となる仲間を呼んだ。
それが俺達の乗ってきた移民船「パイオニア2」だ。
要はパイオニア1が先遣隊で、パイオニア2で本格移民と言う事になるワケやね。
ところが…だ。
先遣隊の招聘を受けてエッチラオッチラやってきた俺達が見たモノは。
目前まで来たラグオル地表での謎の大爆発だった。
それも爆心はセントラルドームのすぐ近く…。
一体全体何が起きたのか…。
誰に判る?
判りゃしないから、地表の調査と生存者の救出を兼ねた戦闘のエキスパート達が、地上へと赴いた。
それが俺達ハンターズって事。
何せパイオニア1が安全を保証してくれた惑星への移民だったから、ろくな軍備もないし乗ってる軍人もしれてる。
ただパイオニア2にゃ移民のような、新しい環境でもたくましく生きて行ける技能と知識を持った民間人であるハンター達が多くいた。
そこで乗り組んでた俺達ハンターズに白羽の矢が立ったってワケな。
「なあ、りくさん。俺らの装備もちょいと見なおしてみようかなあ?」
パイオニア2への転送を終えた俺達は、パイオニア2全体の指揮を執っているタイレル総督の元へと足を進めていた。
なんでもタイレル総督はあのトップハンターにして、学者としても名高い「レッドリング」リコ・タイレルの親父さんらしい。
「うん〜そだよね〜わたしわ〜テクニックしか使わないから武器は気にしないけどね」
「りくさんのテク援護にゃ〜感謝してるよん」
「でも、やっぱり防具は良くしたいかも〜」
「だよね。さっきはドエライ痛かったしな〜」
「わたしたち敵に殴られても平気〜て言えるほど体力ないもんね」
本来頭脳労働であるフォース、しかも人間よりも体力的には劣るニューマンであるリクさんが体力無いのは判る。
でもなあ…(TT
人間で、男で、フォースよりは肉体派なハズのレンジャーな(職業的にはレイマーと言う)、
そんな俺がこの頼りなさって何よ(TTどっかの山にでも篭って修行でもすっかな…。
て言うか、どの山もセントラルドーム周辺より更に危険だってば…。
生きて出れね〜よ…。
考えながら歩くうち総督ズROOMが見えてきた。
パイオニア2のテッペンにある。
なんか攻撃とかされたら真っ先に逝っちゃいそうな所になんでこんな中枢を持ってくるのやら。
「な〜、総督ってズラってホントかな〜?」
「げげん! し、知らないです〜」
「な〜、総督と秘書のアイリンさんてデキてるってホントかな〜?」
「げげん! し、知らないです〜」
「な〜、総督んとこの学者共って覗きして捕まった事あるってホントかな〜?」
「ふぎゅ〜ん! =TwT= なんでそんなこと聞くですか〜〜」
「いや、なんとなく…(^^;」
バカ言いながらタイレル総督とパイオニアでも有数の頭脳を持った(と言われる)学者数人の前へ進む。
う…。
なんか視線が冷たい?
聞かれたかな〜〜(ドキドキ♪)
「てな訳で、地上の原生動物たちの能力やら狂暴さやらが桁違いになってる理由ってのがね、
効果的な対策と共に聞かせて貰えたらナイスかな〜〜っと思って来てみたっす」
「フルイドもすぐ切れちゃうから〜、ぶーまちゃん達倒した時の賞金も上げて欲しいです〜」
「ぜんぶのはんたぁ〜にぼんぼんそぅびさせてほしですん♪」
「それとショップにもっと能力の高い装備を並べてくれんかな〜軍の開発したイイ装備があるっしょ?」
「げげん! そですか〜やっぱり、リコしゃん行方不明なんですね〜=TwT=」
「ゆくりまたりいきまそ〜♪(^-^」
ん、学者センセ達に向かって質問する俺の隣で、苦みばしった顏の総督に全ひらがなで話しかける
(しかも慣れなれし〜!)奴が居るな〜。
小さな体にデッカイ帽子、テッペンには真っ赤なボンボンが一個。
うあ、この人(ニューマンだけど)には会った事ある!
「げ、てむさん…」
「おお〜かみなぎさん、こんにちわんわんわん♪」
「あ、お、おっす…」
「りくたんもこんににちわん♪」
「あ〜♪ てむちゃん〜久しぶりです〜=^w^=」
「……」
テムさんは俺達まだ駆け出しのハンターにとっては大先輩だ。
小柄なフォニュエール(リクさんと同じ職業でニューマンのフォースね)の中でも更に小さな体なんだけど、
度胸と腕は並じゃない。その無謀なばかりの突っ込みっぷりと、それでも怪我一つなく敵の間を駆け抜ける姿は、
すでにハンターズの伝説となってさえいるし。
実の話、俺とリクさんが知り合ったのも、このテムさんが二人の共通の知り合いだったからだしね。
「かみなぎさんもそうとくさんによぅじあったのですん??」
「まあね。てむさんも気づいてるかもしれないけど、妙にラグオルの生き物が強くなってるんだよね」
「ああ〜、なんかちょびとはごたえあたような…」
「な、なんかちょびとっすか…俺達死にそ〜な目に合ったってのに…」
「おぅいぇ〜♪ がんばぁ〜ですよぅ♪」
「ま、そんなワケでここのセンセ方に聞いてみようかとね」
俺は振り返った。
センセ共は3人ほどで何やらコソコソ話していたが、視線に気づくと中の一人が近づいてきた。
「実は君たちの前にも同様の報告が上がってきていてね」
「やっぱり」
「どうやら、セントラルドーム近くのどこからか、悪性の異常フォトンが放出されていて
惑星ラグオルの原生動物に影響を与えているらしいのだよ」
「それは俺達ハンターズが駆り出された時にもう聞いた」
「うむ、どうやら今回の事はその異常フォトンの濃度が上がってきた結果のようだ」
「……てことはだ、状況は今でも流動的に変化しているって事か?」
「その通り。今後も異常フォトンの漏出が続くようなら、一層危険な生物が出かねないね」
シャレになんね。
これじゃいずれ俺達ハンターズにすら、手におえないような敵がウロウロするようになるんじゃ…。
「まあ、君たちハンターズには感謝しているのだよ。より強い敵とも戦えるように新たな武器の開発などもしているのでね」
「ま〜宜しくな」
「今度新型のシミュレーターも出来るのでね、試すといい」
「おっけ。(小声で)……なあ、今の話を聞いて気になったんだが……」
俺は最後の質問をセンセその1にぶつけてみた。
答えは…まあ後で教えよう。
今はちょっとリクさんにも言えない内容だったしな…。
さて、帰るか。
リクさんは…と、ああテムさんと話し中か。
しばらく待って話の切れたところで声をかけた。
「お〜い、りくさん〜〜聞きたい事は聞いたし帰るよん」
「は、はい〜じゃ〜てむちゃんまたです〜」
「てむさん、お先〜〜♪」
「ほほぃ♪ まったね〜」
どうやらテムさんはまだ総督への攻撃を緩める気は無いらしい。
ワードセレクタという、通常の翻訳機では翻訳できない
特殊言語用にまで対応したコミュニケーターを使って遊んでいるらしい(^^;
「助けて、囲まれた > 総督」
「一体何に…」
「アイス アイス アイス > 総督」
「ぬぅ…」
「総督の部屋に寄って行く? > 総督」
「ここだってば(TT」
あのコワモテ総督もテムさんにゃ勝ち目なしだね〜。
お、あのアイリーンさんまでがクスクス笑ってるよ。
いっつも深刻な空気漂う総督ズROOMが和んでるし…。
もしかしてテムさんなりの気遣いなのかな…。
……まさかね。
つづく♪
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